Beautiful Landscape
Above the Clouds

共生主義

日本人の資産を15年で3倍にする新しい資本主義

「共生国を造れば日本の国富は40倍になる」

栁瀨 公孝 masataka yanase

A18I0099.jpg
GW成田20211217.jpg

■「リアル半沢直樹」と呼ばれて

  本書の著者・栁瀨公孝を知る人たちは、「よくぞ諦めずに、ここまでビジネスを続けてこられましたねえ」と、まるで上野動物園のパンダを見るような目をしていう。それは栁瀨が、政官財のエスタブリッシュメントに包囲され、多くの有望なビジネスを潰されて、絶体絶命の危機に陥りながら、それでも再び業界をリードするような立場に浮上してきたからだ。「まるで、リアル半沢直樹ですね」とまでいわれる。

 栁瀨は現在、共生バンクグループ代表。自衛隊を経て、1992年から、資産家向け財産コンサルティングを始動した。その後、定期借地権付き分譲マンション事業や不動産証券化事業などを展開し、現在はテレビCMが大好評の「みんなで大家さん」をビジネスの中心に据えている。また、そのグループ企業は、バイオテクノロジー、テーマパーク、ホテルなどの分野で20社を超えており、総資産額は700億円以上だ。加えて2025年には、成田国際空港の隣接地に、敷地面積45万5000平方メートル(東京ドーム10個分)、総工費2500億円の複合型商業施設「ゲートウェイ成田」を完成させようとしている(この「ゲートウェイ成田」については、著者の前作『成田空港の隣に世界一の街を造る男』に詳述されている)。

さて、こんな型破りな経営者である栁瀨公孝は、人や地球のために生きる「共生(ともいき)」の思想に基づいた企業活動も実践している。そして経営の傍ら、2009年には「志士経営者倶楽部」を設立、2011年には64名の国会議員から成る「国家経営志士議員連盟」を設立して、「共生主義」に基づいて会社や国を経営する思想を広めてきた。

 いま岸田文雄総理は「新しい資本主義」を標榜し、分配重視の経済政策を採ろうとしている。しかし栁瀨が目指すポスト資本主義は、まさにこの「共生主義」だ。生活者全員が裕福になる、すなわち社会そのものが豊かになっていく、そんな新たな価値観に基づくものだ。

 実際、栁瀨が2007年からスタートした「共生主義」に基づく不動産証券化ビジネス「みんなで大家さん」では、これまでの15年間、平均で7%以上の年利を稼ぎ出し、多くの生活者を豊かにしてきた。たとえばこれに1口100万円で投資し、そのあとずっと新商品に引き継いでいけば、元金は15年で約276万円、すなわち約3倍に増えたことになる。まさに低金利に苦しむ年金生活者の暮らしを改善するために開発したビジネスモデルなのだが、投資額も大きくないので、幅広い層の人たちが参加できる。これこそが、栁瀨が目指す「共生主義経済」なのである。

■インドネシアに造る「共生国」が
日本経済に与えるインパクト

 そんな栁瀨は、子どもの頃から、「この世界はなぜ存在するのだろうか?」「なぜ人は生きなければならないのか?」などと考え続けてきた。しかし、テレビで垣間見るセレブの豪奢な生活にも、政治家がSPや秘書を引き連れて闊歩する姿にも、まったく魅力を感じなかった。当然、前アメリカ大統領ドナルド・トランプ氏が所有する米フロリダ州の広大な別荘「マール・ア・ラーゴ」を目にしたときも、羨ましいなどという感覚は、まったく生じなかった。

 では人間は、何を獲得し、何を達成するために、生きているのか――そう悩み続けた14歳のある日、栁瀨は本気で死のうと決意した。しかし、そのとき奇蹟が起こった。天啓とでもいうべきものが、私の心を打ったのだ。

「どうせ死ぬのなら、人のために生きてみて、そのあとでも遅くないのではないか」

 14歳のその日から、栁瀨は人生を人のために役立てることだけを念頭に置いて生きてきた。「共生主義」の思想を胸に秘めて――。

 『共生主義 日本人の資産を15年で3倍にする新しい資本主義』では、そんな栁瀨が日本中で進行し、最終的には全人類を幸せにするために計画しているプロジェクトや事業を、「共生主義」を縦糸にして解説している。なかでも、インドネシアを候補地として計画立案中の「共生国」が日本経済に与える巨大なインパクトと、世界中から集まってくる移民たちの幸せに満ちた生活を、分かりやすく、そして詳しく解説している。以下が本書の構成だ。

・第1章 「共生国」21世紀のジパング

・第2章 シミュレーション「共生国」の日常

・第3章 14歳で1度死んだ私

・第4章 「共生主義」を体現するビジネス

・第5章 「共生主義」を目指す巨大プロジェクト

・第6章 成田空港の隣に「共生主義」の街を

■「共生国」で日本人の資産は40倍にも

パノラマシティビュー

 資本主義なきあと栁瀨が目指す「共生主義」の社会では、みなが豊かになる。一つのパイを奪い合うのではなく、お互いが共に利益を得る「与え合い」「分かち合い」の経済社会を作る。そのため栁瀨は、哲学者の故・梅原猛の著書『共生と循環の哲学 永遠を生きる』のなかの一節を、時折、噛みしめ、自らを励ましている。

〈いま人類に必要なのは、(略)人類をして破滅の道を免れしめるきちんとした理論体系を提供すること〉であり、〈共生・循環という思想を文明の基底にもっている日本人が、あえてそういう試みをしなければならないのではないか〉という一節だ。

 「共生と循環という思想」を日本人が文明の基底に持っているということを、栁瀨は強く感じているからだ。そのため日本人が世界をリードしてこそ、「共生主義」による経済の実現を成し遂げられるのだと確信している。

 栁瀨は、「共生主義」のもと、先述した「ゲートウェイ成田」という「街」を、まず2025年に造り上げる。この、あらゆる意味で世界一の「街」が「共生主義」の発信地となる。

 そして「ゲートウェイ成田」が軌道に乗った暁には、「共生主義」に基づいた「共生国」の建国だ。その国は、世界の人々の生活に貢献するとともに、アメリカの評価会社の計算方法を援用すると、最終的に日本人の資産を40倍にする力を持っている。

 「共生主義」のもと「共生国」を建国する――なぜこのような想いを抱くようになったのか? 栁瀨の来し方から始まり、「共生国」実現までの道筋をまとめたものが、途轍もない日本人の未来を描く本書だ。ほら話や荒唐無稽な計画では決してない。ぜひ本書をお読みいただきたい。